Bloom Oysterを育てる技術

Novelgenが開発した「Algal Bloom Capture（アルガル・ブルーム・キャプチャー）技術」は、海で起こる藻類プランクトンの大量発生（アルガル・ブルーム）を牡蠣の成長に役立てる画期的な仕組みです。通常、夏場に発生する赤潮などの藻類の異常増殖は海にとって有害ですが、私たちはそれを逆手に取りました。牡蠣が持つ強力な水質浄化能力に着目し、プランクトンを効率よく食べてもらうことで、海水をきれいにしながら牡蠣を栄養豊富に育てるのです。

難しく感じるかもしれませんが、仕組みはシンプルです。牡蠣は一日になんと数十リットルもの海水を吸い込み、プランクトンをエサとして濾しとります 。Bloom Oysterの養殖場では、発生したプランクトンを牡蠣がたっぷり食べられる環境を整備。「海が育てたエサで牡蠣が育ち、牡蠣が海をきれいにする」という自然のサイクルを生み出しました。その結果、牡蠣は旨味たっぷりに育ち、周囲の海は透き通った健やかな状態に保たれます。

私たちは「使い捨てない」循環型の仕組みづくりにも力を入れています。例えば、収獲後の牡蠣殻は廃棄せず再利用。砕いた殻は土壌改良材や家畜の飼料添加物として活用したり、海に戻して稚貝の付着する人工礁に役立てたりしています。これにより廃棄物を減らし、牡蠣の命が次の資源へと生まれ変わる循環を実現しています。

このアルガル・ブルーム・キャプチャー技術は専門家とも協力して研究を重ね、確かなデータに裏付けられた方法です。政府の中小企業技術革新支援（SBIR）フェーズ3にも採択され、社会課題を解決する技術として高い評価を受けています 。私たちは難しい科学的内容もできるだけかみ砕き、一般の方にも分かりやすく発信しています。未来の地球を守る技術を、食卓で美味しく実感していただける――それがBloom Oysterの目指すところです。